September 17, 2005

CIT:本物の冒険者(戸井十月)

「途中の食堂で鳥肉とタマネギを炒めた昼食をすませて外へ出ると、「トイ!」と誰かが叫ぶ。振り返れば、なんとサン・ルイで別れたファビアンた手を振っているではないか。脇に立つ黒光りする肌の女がダカールでピックアップした恋人らしい。二人はこれからブルキナ・ファソに向かい、マンゴーを輸出する商売を始めるのだろう。

 車の調子が相変わらず悪く、100km手前でラジエーターから熱湯が吹き上がったと肩を竦める。「インシャラー」と涼しい顔で、それでも断固として前に進んでくるのがファビアンやアンディの底力である。緊張して力んでいる偽ハードボイルドの対極にある、力が抜けていてしなやかな本物の旅人であり、冒険者である彼ら。謀略史観やら、渋くて骨太の男たちが闘う小説やら映画にはうんざりする。本物の冒険者たちは、ハードボイルドな顔などしていない。そのテのステレオタイプなヒーロー像は、道端の現実や本当の冒険から実は最も遠い所にいる男たちが頭の中でつくり出しただけである。」

「52歳、駆け抜けたアフリカ」戸井十月 新潮社2001.12.20 p.105〜106

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September 14, 2005

CIT:「チャンピオンたる者は」(ルイゾン・ボベ)

「チャンピオンたる者は、努力家であり、忍耐強く、勇気があり、自制にたけ、知的であり、かつ野心的でなければならない」



「自転車チャンピオン」ルイゾン・ボベ 三田文英訳 未知谷 2005.7.25 C0098 \2200(1400)E p.114

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September 06, 2005

CIT: ジャズとは(中条省平の書評から)

ジャズとは(CIT 中条省平の書評から)

朝日新聞2005.9.4朝刊「読書」欄
「戦後日本のジャズ文化」マイク・モラスキー著 青土社
 に対する中条省平の書評から

 「ジャズとは音楽の一ジャンルであることを超えて、秩序と無秩序のバランス、ヒエラルキーと権力への抵抗、周囲の人間との対話による自己主張、既成の境界線をつねに更新しようとする意欲、そして何よりも、リスクを恐れず一回かぎりの実践(即興)に賭ける精神のありようを意味していたのである。」

00:35:06 | akybe | comments(0) | TrackBacks

September 03, 2005

CIT仲代達矢:どん底のニヒリズムは明るさ(2005/9/3日経朝刊「アート探究」)

2005/9/3日経朝刊「アート探究」翻訳劇「ドライビング・ミス・デイジー」(ミス・デイジーを奈良岡朋子(75)が、ホークを仲代達矢(72)が演ずる)

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仲代(達矢)は「十代のころ、どん底の貧乏をしたからホーク(ミス・デイジーの雇われ黒人運転手)の立場はよく分かる。どの底に落ちた時の最高のニヒリズムは何だと思いますか?それは明るさ。だからホークはいつも明るい。それは彼の生きる知恵でもあったと思う」と話す。
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CIT柴崎コウ:俳優は「ぜいたくな仕事」(2005/9/2朝日新聞夕刊)

2005/9/2朝日新聞夕刊[柴崎コウ]インタビューから(インタビュワーは石飛徳樹)

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今は俳優を「すごくぜいたくな仕事」と思うようになった。
「だって、不幸が幸せなんですから。不幸を味わえば、それが必ず演技に生きる。だから、いい意味でずっと不満をなくさないように仕事をしていきたい。

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