March 27, 2005

白川静の世界 

日経新聞2005.3.27
「遅咲きの人」51
長距離ランナー 白川静」
ー一日の過ごし方は。
「午前六時に起床、八時には執筆。昼食後、一時間ほど睡眠。午後二時から作業を開始。七時過ぎに夕食をとるまで、二度ほど、お茶とコーヒーを飲む。午後九時就寝。日常の秩序が大切です」
ー仕事の計画は。
「七十代では十年計画。八十代では五年計画。九十代は三年計画を立て、ただ今『金文通釈』九冊の改訂版などを刊行中。今後は三年間に『甲骨金文学論叢』上下巻など六冊を刊行したい。その先は神様のおぼしめしをうかがってから決める」
ー研究のエネルギーを支えているものは。
「戦後六十年の我が国の歩みには、主体的な国家の誇りに欠けるところがある。戦争やアジアを分裂に導いたことへの反省も十分でない。そうした歴史認識がエネルギーの根源にある」

白川静(1910年福井市生まれ。小学校卒業後、大阪の法律事務所に住み込みで働き始め、夜学に通う。43年立命館大卒。54年同大文学部教授。91年『字統』などの著作で菊池寛賞。04年、妻つるを亡くす。文化勲章受章。

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