January 05, 2006

「変人であることの自由」(茂木健一郎「脳の中の人生」より)

茂木健一郎著「脳の中の人生」(中公新書クラレ)を読んでいるが、なかなか面白い。私が考察を進めている「ウズ社会論」(拙著『文化としての日本的経営』 http//www.linkclub.or.jp/~akybe/nihonkeieiindex.html参照)の根拠付けにも役に立ちそうなことが、いろいろ書いてある。
 周りに合わせること=気を合わせること=同質化を組織統制の基本とするウズ社会においては、同質化圧力が高く、同質化しない人を、変人、外人、変わり者呼ばわりして、排除したり、のけ者にしたり、「干し」たり、「浮き上がらせたり」するのであるが、同書の中の次に引用するような箇所は、参考になる。

「『周りに合わせる』という同質化圧力は、どの国にもある。……それにしても、日本の社会における同質化圧力は、あまりに強すぎるようだ。」(p.144)

「自分の個性を追求する『変人であることの自由』が認められなければ、創造性など発揮しようがないのである。」(p.145)

「ケンブリッジにはニュートン以来の学問の伝統がある。その伝統は、『奇妙であることの自由』と結びついている。……『奇妙であることの自由』を尊重し、称賛する雰囲気が、ノーベル賞学者を輩出するケンブリッジの偉大な伝統を結びついていた。
 人の目を気にしすぎては、新しいことなどできない。日本でも、そろそろ『変人であることの自由』が流行してもよい頃である。」(p.146)

22:07:11 | akybe | comments(0) | TrackBacks