January 15, 2007

クラリネット

「神秘のモーツアルト」(フィリップ・ソレルス/著 堀江敏幸/訳 集英社)を読んでいる。
 モーツアルトへの賛歌であり、共鳴の書だ。
 
 文章が美しい。たとえば、モーツアルトも愛したクラリネットについて、次のように言う。


「クラリネットは、フルート以上にこの自然を歌う魔法の楽器である。ブナを、白樺を、モミを、セコイアを、イチイを、松を、マロニエを、コナラを、菩提樹を、アカシアを、カエデを、クラリネットは全部まとめて示してくれる。それは魔法にかけられた根であり、苦悩やメランコリーや吐き気に対する偉大な治療薬なのだ。」
(同書p.25~26)




11:54:36 | akybe | comments(0) | TrackBacks