akybe's blog

読後感：「吉原手引草」

　今期の直木賞を受賞した松井今朝子の「吉原手引草」を読み終えた。

　何といううまい語り口だろう。吉原に尋ねてきた謎の若い男性を相手に、独特の語り口を持つ個性的豊かな語り手が次々と登場して、問われるままに答えていくうちに、葛城という吉原一の花魁がある日突然失踪した事件の全容が少しずつ明らかになっていく。聞き手の若い男の素性が最後にして明らかになり、それと同時に、これまでの謎がすべて氷解するとともに、葛城という女性の像が鮮やかに浮かび上がって来、小気味よい読後感にとっぷり浸れる仕掛けになっている。
いや、堪能しました。また、すごい女流の書き手が現れたものだ。

自らの存在の不思議

我々がどんな大発明にも驚かないのは、自らの存在がどんな大発明よりも驚異に満ちているからだ。我々自身が生きている不思議さ以上のものはないことを知っているからだ。

俳句・川柳

<<俳句>>

もみじ手を　空いっぱいに　春の風

両手挙げ　走る初孫　春の風


古墳村　一膳飯屋　鱧の皮


<<川柳>>

「馬鹿」の謂い　「オタク」になって　市民権

新規購入書籍「吉原手引草」

「吉原手引草」松井今朝子　　幻冬舍　2007.3.15 2007.7.20 第6刷
C0093 1600E p.256

新規購入書籍（2007.8.3〜8.10）5冊

「星新一　1001話をつくった人」最相葉月　新潮社　2007.3.30 2007.6.5 6刷　C0095 2300E p.571

以下audio book

「The Cronicles of Narnia」
C.S. LEWES performaed by Michael Hordern HarperCollins Publishers Ltd. UK　2003 14CDs 16hours

「A Tale of Two Cities」Charles Dickens performaed by Frank Muller　Recorded books Productions LLC　1986 12CDs 13.5hours

「Black Virgin Moutain A Return tp Vietnam」LARRY HEINEMANN performaed by the author High Bridge　2005 8CDs 9,45hours


「OH THE GLORY OF IT ALL」SEAN WILSEY by 18CDs 22hours