January 18, 2008

CIT:川上未映子(第138回芥川賞受賞)


「服と違って体は脱げない。自分にもっとも近いものなのに、どんどん変化していって思い通りにならない、というのはどういうことなのかを考えてみた。重要にも、くだらいことにも見えることが一番おもしろいと思うんです」
   2008/1/17朝日新聞朝刊「ひと」欄

成熟より新しいもの
「成熟することよりも、新しいものを生み出すことに価値をおきたい。」
   2008/1/17日本経済新聞夕刊


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January 08, 2008

CIT:どんな人間関係にも長い祈りや前世があってのこと

どんな人間関係にも長い祈りや前世があってのこと

同じ日(昨年の大晦日)に読んだ二つの小説の中に、人と人との関係が生ずるのは、実に長い年月にわたる祈りや前世があってのことだという、似通った発想がつづられているのを発見して、実に興味深く感じた。こういう読書経験をするのも、ひょっとすると、長い前史があってのことだろうかと思ったので、その部分を以下に引用する。

千年の祈りー『修百世可同舟』

「マダムの話がとぎれると、石氏は言う。「ちゅうごくで、『修百世可同舟』といいます」誰かと同じ舟で川をわたるためには、三百年いのらなくてはならない。それを英語で説明しようとして、ふと思う。言葉のちがいなどどうでもいい。訳そうが訳すまいが、マダムならわかってくれるだろう。<たがいが会って話すには--長い年月の深い祈りが必ずあったんです。ここにわたしたちがたどり着くためです>彼は中国語で話す。
 その通りだと、マダムはほほえむ。
<どんな関係にも理由がある、それがことわざの意味です。夫と妻、親と子、友達、敵、道で出会う知らない人、どんな関係だってそうです。愛する人と枕をともにするには、そうしたいと祈って三千年かかる。父と娘なら、おそらく千年でしょう。人は偶然に父と娘になるんじゃない。それはたしかなことです。でも娘はこのことがわかっとらんのです。…」

「千年の祈り」イーユン・リー 篠森ゆりこ訳 新潮社 2007/7/30 2007/10/25 4刷p.232

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前世で何千回といっしょに生きてきたのだ

「別れにこれほど苦痛をおぼえるのは、二人の魂が結ばれているからだ。おそらく、これまでも、これからも、ずっとそうだろう。おそらく二人は前世で何千回となくいっしょに生きていたのだ。そのときどきに、二人はおたがいを見つけだし、そしてたぶん、そのときどきにおなじ理由で別れざるをえなかった。つまり、この別れはこれまでの一万年の終わりであり、同時に未来への前奏曲と言っていい。」 

「きみに読む物語」ニコラス・スパークス 雨沢泰訳 アーティストハウス 2004.12.31 2005.3.31 第8刷 p.142




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