October 27, 2006

CIT:ヘッセ「満たされぬ願望」

「私には永遠にして満たされることのない願望が一つあります。何にも依存せず、たとえどんなにつましくても良いから、私人として定職なしに暮らすことです。ーーそうなれば私は人里離れたイタリアの山里で生涯を送り、雄大な徒歩旅行を行ない、近代生活のあらゆるペテンから、根本的に心地よく離れているのを実感することでしょう。」

「ヘッセからの手紙」毎日新聞社 1995年 p.20

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October 24, 2006

CIT:「信じられない航海」から

「徐々にではあったが、彼(アレム)は、船乗りにとって一番大事な美徳は忍耐と健全なユーモアであり、それに、知性と辛抱の次には体力がものをいうことを理解しだした。」(「信じられない航海」p.80)


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October 15, 2006

CIT:小林秀雄「天才と努力」

「モオツァルト」筑摩書房版:現代日本文学大系60(頁111)

「天才とは努力し得る才だ、といふゲエテの有名な言葉は、殆ど理解されてゐない。努力は凡才でもするからである。然し、努力を要せず成功する場合には努力しまい。彼には、いつもさうあって欲しいのである。天才は寧ろ努力を発明する。凡才が容易と見る処に、何故、天才は難問を見るといふ事が屢々起こるのか」

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October 11, 2006

CIT:「文学とは」(沼野充義:東大教授)

「確かに文学は、『罪と罰』を読むことで「殺人はいけない」ということを学ぶ意味での実学ではないが、すべての実学の基礎となるものの考え方を形づくる。
 多様な国の文学を学ぶことは、深い意味で他者を理解する能力を身につけて行くことになる。人が世界に対し向かい合う態度を身につける学問が文学だ。その意味で、大学から文学部という名称は消えるかもしれないが、文学はなくならないし、必要性は薄れないと思う。」
(沼野充義:東大教授、日本経済新聞2006.10.11夕刊)

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