January 16, 2006

考える力と文章力(池田晶子と茂木健一郎・藤原正彦)

池田晶子の「考える日々II」を最近読み終えた。並行的に、茂木健一郎の「脳の中の人生」や「脳と仮想」、藤原正彦の「国家の品格」などを読んでいた(今も読んでいる)のだが、池田は、茂木、藤原と比べ、考える密度が違う、という気がする。別に文科系の池田晶子の文章力が、理科系の茂木健一郎、藤原正彦より優れているという意味ではなく、考えることの深さが違い、そのことが如実に文章に反映しているように思える。三者とも同じようなことを主張しているのだが、池田のほうが、より的確に論理的に説得的に痛快に述べていると思うのだ。

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January 09, 2006

1986年、ワープロを持つ作家、総勢10人の時期にワープロを使っていた

 私がワープロを買ったのは、1983年、東芝が初めてワープロを640万円で売り出した3年後のことだった。まだ、一台100万円もし、プリンターだけでも20万円した。ところが、今日、日垣隆の「売文生活」(ちくま新書523)を読んでいたら、次のような文章が出てきた。
「1986年当時はまだ、日本でパソコンを駆使している編集者はほとんどいませんでしたし、ワープロを持っている作家は総勢で10人くらいしかいない時期のことです。」(p.15)
この後に、千葉敦子の『ニューヨークの24時間』からの引用で、ワープロやコンピューターの効用が説かれ、インドネシアのバリ島に比べてもホテル・オークラの電送設備が整っていなかったことが書かれている。
千葉敦子が言うように、「ワープロを使えば、書くスピードは手書きとは到底比較にならぬほど高まります。」わたしが、サラリーマン生活を続けながら、「文化としての日本的経営」などの著作をものにできたのも、ワープロを早めに導入した成果であった。

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